アメリカ南西部への旅路が始まる
ここ数年、毎年のようにこの時期にアメリカ南西部を旅している。
決してこの時期に拘っている訳ではないが、4月から11月までは富士五湖を離れることができない。なぜならその時期は地元ではベストシーズン。
昔は、「4月から11月までの8ヶ月で一年分を稼げ」と言われたほど観光客が集中する。
べつにそれに乗じている訳ではないが、1月から2月に掛けては氷点下15度になることも多く、そうなると商売どころではなくなる。生活の基盤を確保するだけで、一日が終わってしまう日だってあるのだ。
従って長い旅に出るのは、この時期になってしまう。
が、アメリカだってこの時期は寒い。なるべく暖かいところを選んで旅の計画を立てる・・・といいたいところだが、実は理由はそうじゃない。
今から35年前。雑誌の取材で初めてアメリカの地を踏んだ。
LAでレンタカーを借りて、ラスベガス〜グランドキャニオン〜モニュメントバレー〜サンタフェと、約3週間掛けてアメリカ南西部を旅した。つまり自分にとって、アメリカ南西部は旅の原点なのだ。
河口湖の湖畔に建てた家も、サンタフェスタイルを取り入れているし、壁にかけられた絵や、テーブルの上に飾れたオブジェなども、やはりこの地の土産物が多い。
今年で23年目を迎える河口湖での暮らし。その暮らしの原点を見つめ直す為にも、毎年、この地を訪れる。
この地でナニを感じるのか? ナニを思い出すのか? なにを再発見するのか? ある時はハンドルを握り、ある時は砂漠で開催される長距離レースに出場し、ある時は険しいトレイルを歩く。
それはある意味、自分と向き合い、自分と対話する旅でもあるのだ。