憧れのVanLife13 塗装って怖い

COLUMN

2019年09月11日

前々回のこのブログで、キャンピングカーの雨漏りについて説明した。

なにしろ天井部分に換気口などの開口部が多い。FRP素材との接合部が多いなど、通常のクルマと比較して、そもそもが雨漏りしやすい構造なのである。

誰かが言っていたけれど、キャンピングカーというのは、家がそのまま移動しているのだから、いつも震度3くらいの衝撃がある、と。

まあ便利さを享受する代わりに、メンテンナンスなどもこまめに施さないといけないということである。

さて我が愛車は、ルーフ部分がFRP素材で出来ているということは、すでにこのブログで報告した。さらにはクルマ本体とFRP素材のフール部分との接合部から、雨が侵入してくるので、その部分のシリコンコーキングが大切だとも言った。

それではそもそも、そのFRP素材の劣化はないのか?

それが問題である。

vanlife_13_01.jpg
購入時、ルーフトップはこんな色。写真では分かりづらいが、汚く黄ばんでいた。

本来はオフホワイト系のループトップだったんだろうと思われる我が愛車、購入時には汚く黄ばんでおり、かなりくたびれた印象だった。

雨漏りというのは、大きく空いた穴から雨が侵入するのではなく、劣化したコーキング剤の目に見えないような小さな穴から、毛細血管現象によって、雨が室内に入り込むという情報は確認していた。ならば経年劣化したFRP素材そのものから、雨が染みて来る可能性も否めない。

そこで汚く黄ばんだFRP素材のルーフ部分を、FRP素材用の塗料でコーティングすることにした。

自宅をDIYで仕上げた自分にとって、塗装作業は、それこそ朝飯前の簡単な作業であるが、FRP塗装というのは初めてだ。

届いた塗料の説明書を読むと、なんとも恐ろしいことが書いてある。

FRP塗料というのは、硬化剤という液体と塗料を混ぜ合わさないと、いつまで経っても塗料が乾かないとある。

vanlife_13_02.jpg
まずはサンダーで汚れを取る

で、塗装作業直前にその硬化剤を混ぜ合わせるのだが、硬化剤を入れた瞬間に、なんらかの化学反応を起こし、塗料の温度が100度近くになると書いてある。さらには硬化が始まる2時間までにすべての作業を終了しろと・・・

熱く沸騰する塗料、3メートル近い高所での塗装作業・・・

ルーフトップに登る時に、熱い塗料を頭から被る恐ろしいイメージが、頭から消えない。塗装中、熱い塗料で火傷するイメージから逃れられない。しかも愚図々々していると、塗装が終わる前に塗料が硬化してしまう。

vanlife_13_03.jpg
新聞紙でマスキングして…

そんなリスクを冒してまで、自分でその危険な作業をする必要があるのか? そんなことはプロに任せて、自分はソファに座って相撲放送でも観ながら、酒でも呑んでいたほうがいいのではないか? そんな弱気な気分に全身が包まれる。

いや、なにを言っているのだオマエは? もっと手に負えないようなことを、これまでにもやってのけたではないか! と自身を鼓舞して、塗装作業に取り掛かることにした。いや、正確に言えば、プロに任せるほどの予算がないのである。

安全確保の上に安全確保を塗りかため、それでも時間的な制約があるので、テキパキと、塗装作業を始めた。

すると使用期限の切れたLPガスの交換、並びにやはり使用期限が切れたガスホースの交換に、ガス会社の作業員がやって来た。

「あゝ・・・そうだ・・・この時間にアポ取ってあったんだ・・・危険な作業に怯え、すっかりそのことを忘れていた」と、後悔しつつ、せっかく安全に登ったルーフトップから降りて、作業員の方にLPガスの格納場所を教える。そして約3倍速の速さであれこれ説明して、ボクは再びルーフトップに登り始める。

vanlife_13_04.jpg
自分で塗装

ちゃちゃっと素早くガスホースを交換して、使用期限の切れたLPガスを取り替えながら「いやあ・・・自分でクルマの塗装をしちゃうんですね! すごいなあ」と言いながら、作業員の方は去って行く。きっとクルマの中で「普通、そんなことは自分でやらないだろ!」と、続きのセリフを吐いているに違いない。

とまあ、いろいろと怖い思いをしたが、無事にルーフトップを塗り替えることに成功した。

ところで何故、青いルーフトップにしたかって? 実はFRP塗料の選択肢は、あまり多くなく、唯一、この色がしっくりと来たのだ。

それにしても、新しいことを始めると、いろいろと知識が増えますわ。

vanlife_13_05.jpg
イッチョあがり!