憧れのVanLife26 デスバレーへ!

COLUMN

2020年03月13日

アメリカで小型のモーターホームを借りて、デスバレーを旅する。小型と言っても、自分が日本で所有しているヴァンとほぼ同サイズで、キッチンはもちろん、トイレ、シャワーも付いている。

前回はその予算の話をしたが、結果からすると、当初の予算通り、走ったマイレージ(結局はちょうど500マイルだった)分の料金も含め、日本円で約12万ほどだった。

12日間レンタルしてこの価格なら、次回も選択肢のひとつに含まれる。

アメリカを旅する場合、どこを旅するのかによって選択肢が変わってくる。

今回、なぜ、デスバレーでモーターホームを借りたかというと、実はデスバレーの公園内のホテルが一泊4万円くらいで、3日泊まればモーターホームのレンタルフィーがすべて払えるくらい高いのである。

通常、アメリカの国立公園の場合、国立公園内のホテルはわりと割高で、しかもなかなか予約が取れない。

とくにグランドキャニオンなどの有名な国立公園のホテルは予約が取れにくい。

従って、グランドキャニオンにしても、その近辺のザイオンやブライスといった国立公園にしても、その周辺の町に宿泊することになる。

グランドキャニオンの場合は、国立公園の南のゲートのすぐ近くにタサヤンという小さな町があり、その町の安いモーテルなら100ドルもしない。

ザイオンにも同じように、南側にスプリングデールという小さな町があり、同じような金額で泊まれる。

が、デスバレーはもっとも近い町がビーティーという町で、中心地のファーニス・クリークから約1時間かかる。おまけにデスバレーは公園自体が広大なので、公園外に宿泊しながら通うことは賢明な選択ではない。

とくに夜明けの時間帯などに撮影したい場合、公園外からだと夜中に宿泊所を出なければならない。

ということで、今回はモーターホームという選択となった。

ところがこの時期(2月後半)のデスバレーは繁忙期で、どこのキャンプ場も予約が取れない。

なぜこんな時期が繁忙期か?

デスバレーは海抜ゼロ以下のところが多く、7月や8月になると50度以上の暑さになる。試しにフライパンを道路脇に置いて、そこに卵を割っていれれば、そのまま目玉焼きができるほど暑いのだ。

ということで今がベストシーズンだ。

まあ事前にそのことについてはリサーチしてあった。

スカルがトレードマークの「ストーブパイプ」次回はきちんと予約してフックアップ利用したい

デスバレーでもっとも賑わっているところが、さきほども言ったファーニス・クリークで、ここにはビジターセンターと豪華ホテルがあり、その周囲にファーニス・クリーク・キャンプ場と、サンセット・キャンプ場、テキサス・スプリング・キャンプ場の3つのキャンプ場がある。

このファーニス・クリークから北へ約30分ほど走ったところに「ストーブパイプ」というリゾートがあり、そこにも一軒のホテルとキャンプ場がある。

で、ファーニス・クリーク・キャンプ場は唯一、予約が可能なキャンプ場で、他は現地に行って空いていれば入場可能だ。

後から分かったのだが、「ストーブパイプ」もフックアップは予約可能だ。

フックアップというのは、電源が確保でき、尚且、上水、下水を繋げることができるキャンプ・サイトのことである。

つまりモーターホームで旅する場合、フックアップ設備があれば、日常と変わらないくらいに快適に過ごせるのである。

ちなみに一般のキャンプ場の利用は一泊16ドル。フックアップは40ドルとやや高めである。

で、可能であれば、デスバレーに到着した夜はフックアップができればいいと思い、我々は「ストーブパイプ」に向かった。

というのも、ファーニス・クリーク周辺のキャンプ場は、サンセットもテキサス・スプリングもフックアップ設備がない。

ところが「ストーブパイプ」も、フックアップ可能なサイトは僅かに14サイトだけである。

そして夕方4時過ぎに到着した時には、すべて埋まっていた。

砂漠に夕陽が沈む。こういう瞬間に出会えることも国立公園内でのVanLifeの魅力だ。

我々は諦めて通常のサイトで、デスバレー最初の夜を過ごした。

まあソーラーシステムも付いているし、レンタルの時にあれこれ説明してくれたクリスタル(名前は似ているが、例の政治家と結婚した女性の5倍くらいの体重がある)に言わせると、まったく電源に繋がないで5日は使えると言っていた。

そしてその説明を真に受けた我々は、翌朝にショックを受けることになるのである。

次号へ続く。