VanLife 日本の旅Vol.1 この時代だからこそのVan旅スタイル
2年前に古いフォードのVanを手に入れ、雨漏りを始めとして、いろいろなトラブルに悩まされながらも、それなりにVanLifeを楽しんで来た。そのVanを手に入れたときから、密かに胸に抱くモノがあった。それはいつかはこのVanで九州まで旅したい・・・ということである。
できることなら北海道にも行ってみたい。が、北海道のベストシーズンは、地元の富士五湖のベストシーズンでもあり、その時期に地元を離れることは今のところ不可能だ。いつかすべての仕事から解放されれば、北海道の旅にも出てみようと思うが、とりあえずは九州である。
雨漏りの補修、ブレーキキャリパーの交換、そしてエアコンのコンプレッサーの交換を済ませた頃、細かな故障はちょこちょこと発生するが、我が愛車で長距離を走る自信も生まれた。
昨年の2月は奈良まで往復しているし、昨夏は白川郷から自宅まで、一気に500キロ走っている。この調子で行けば、九州まで無事に行って帰って来られるのではないか?
実は毎年2月末になると、アメリカの国立公園を一ヶ月ほど放浪している。ところが今年はコロナの影響でそれも無理。じゃあこの機会に九州までの旅に出ようと思い、1月30日に河口湖の自宅を出発した。
あー、言われなくても分っている。1月30日と言えば、首都圏を始めとして、11都道府県に緊急事態宣言が発令されている最中である。その時期に不要不急の外出を控えるべきだとは十分に承知している。が、我々が住んでいるのは緊急事態宣言外の山梨県であり、そもそもVanLifeの旅というのは、ほとんど他の人たちと接触しないで続けられるのである。
昨年も幾度となくVanで旅をしたが、その地のスーパーで買い物する以外、調理もVanの中だし、飲食もVanの中。もちろん移動はすべてクルマである。素早く買い物を済ませれば、他の人々とほぼ接触する機会がないのである。
それに同じような情報しかない、各メディアの報道にもうんざりしていた。
実際に今の日本はどのような状況下にあるのか? 人々の暮らしはどうなのか? それをこの目で確かめたかった。
こうして我々は旅立った。
浜松、津、奈良と点々とする。
今回の旅では極力、RVパークに宿泊することにした。
日本に於いて、今現在、RVパークの確固たる定義は定まってはいない。
が、長さ約6メートルから7メートル、横幅3メートルから4メートルの駐車スペースを確保し、尚且、上水道とトイレが設置され、一部には電源に繋ぐことが可能なスペースもあり、基本的にはクルマの中ですべての行動が完結するように、利用者には求められる。
一般のキャンプ場との違いは、最後に述べた「クルマの中ですべての行動が完結する」ことが要となっており、車外で調理、飲食は基本的には禁じている。
これは本場アメリカでも同様で、調理、飲食を車外で行う場合は、きちんと指定された場所で行わなければならない。
使用料金は一泊、電源が使えて、2000円から2500円のところが多く、この点はキャンプ場より安価で使用可能だ。
ただ現状というと、その数はあまりにも少なく、例えば1都道府県で多くて5~6箇所、まったくRVパークのない県もある。が、それも少しづつではあるが増加の傾向にあり、VanLifeを実践する人たちにとっても、旅する環境がいい方向に向かうと思われる。
「道の駅を利用すればいいのでは?」という意見もある。
実際に我々も今回の旅で、RVパークを見つけることができず、37日間の旅で、5日ほど「道の駅」のお世話になった。
RVパークを併設し、積極的に車中泊を受け入れている道の駅もあれば、完全に車中泊を禁じている道の駅もある。いずれにしても料金を支払って宿泊するRVパークであっても、先程も言ったように、車外に於いて調理、飲食を禁じているのだから、道の駅でそれらの行為、並びに調理器具や食器をトイレなどで洗う行為は、絶対にやってはいけない。
他に選択がなく道の駅で泊まる場合、我々は以下の点に注意して宿泊した。
① 繰り返すが、車外に於いて調理、飲食はしない。もちろんトイレで洗い物は論外。
② なるべく混雑時は駐車スペースの端の方に停める。
③ その道の駅にレストランがあれば、そこでテイクアウトをしたり、地場の野菜や肉の販売があれば、それを買って調理し、なるべく道の駅でなにかしらのお金を落とす。
④ 停車中のアイドリングはしない。
以上である。
しかし自分は以上のことを厳守しても、他の車中泊者や大型トラックのドライバーなどがアイドリングを一晩中する場合もあるので、決して道の駅での宿泊は快適とは言い難いのである。
そういう意味でも、RVパーク施設の増加が待たれるのである。
次回は、この旅に於いて、実際に利用したRVパークの中でも、その設備や対応が素晴らしかったところをいくつか紹介しようと思う。
お楽しみに!