憧れのVanLife28 RVパーク

COLUMN

2020年04月02日

アメリカで借りたモーターホームが、高機能なソーラーシステムに拠って、電源に繋がなくてもある程度機能することは分かった。

しかしクルマは機能しても、人間にも充電が必要だ。

ラスベガスでモーターホームを借りて、デスバレーに来て3日目。そろそろシャワーも浴びたいし、洗濯物も溜まって来た。

もちろんモーターホームにはトイレ、シャワーもあるにはある。だが狭すぎて、その中でシャワーを浴びる気にはなれない。

ということで、一旦、デスバレー国立公園を出て、もっとも近い町「Beatty」に行くことにした。

「Beatty」はデスバレーの中心地から45分ほどの町で、「Beatty」自身は「デスバレーの玄関口」と堂々と名乗っているが、町にはモーテルが3箇所。一軒だけある「ファミリードラー」というスーパーマーケットは、日本の一般的なコンビニより品揃えが薄い。町のメインストリートは、クルマで5分で通り過ぎてしまう規模だ。

「デスバレーの玄関口」と名乗るのは、少し心もとない気がしないでもない。

だが立派なRVパークが2箇所あって、我々は「DEATH VALLEY INN」という、ホテルに併設されたRVパークに宿泊することにした。

料金は一泊35ドル。コインランドリーとシャワー設備が場内に設置されている。が、どうやらコインランドリーはこの町でここ一軒だけで、RVパーク利用者以外に、一般の町の住人も洗濯に来るほど小さな町である。

RVパークはもちろん「フルフック」で、電源を繋いで上水、下水も繋ぐことが可能だ。

そしてこれは後々、理解できるようになったのだが、その手の充実したRVパークには、半分、居住している人たちもいる。

ホテルに併設されたRVパーク。「オプションの国アメリカ」では、様々な宿泊スタイルが選べる。

我々はそのRVパークに2泊したのだが、我々のような短期で宿泊するキャンパーは僅かに4組ほどで、その他は長期でそこに滞在しているようだった。中にはそこから仕事に通っているらしき人も居た。

だがフルフックのRVパークは快適だ。電力を気にしないで冷蔵庫や冷凍庫を使えるし、電子レンジも使える。音楽も聴けるし、PCを使ってこれまでに撮影した写真や動画の整理もできる。

もちろん長期に亘ってストイックなVanLifeを続けることも重要な意味を持つと思うが、3日や4日に一度くらいの割合で、リフレッシュすることも必要だと思う。

だがそれでも、やはり水や電気などのエネルギーの貴重さを再認識することが充分にできるし、エコロジーを心がける意識は強く刺激される。

今回の旅でVanLifeの楽しみ方が大きく2通りあることが分かった。

ひとつはまったく電源などのない場所での宿泊だ。それでも工夫すれば3泊や4泊くらいの滞在が可能だ。だがその場合は冷蔵庫には購入した氷などを詰め、夜間の照明なども節約が必要だ。

もう一方でフルフックに繋ぎ、そのクルマが持つ機能を最大限に使いこなすスタイルである。そしてその機能を最大限に引き出すことが、ある意味、Vanで旅する喜びとも言えるのである。

日本に於いても「道の駅」や高速道路のSAなどで宿泊することも可能だとは思うが、上水、下水を含め、せっかく高機能な設備が搭載されいるVanを所有したり、レンタルするのであれば、その機能性を充分に発揮させることも、その旅の醍醐味だとは思う。

そういう意味に於いては、日本に於ける受け入れ側であるRVパークに施設の充実が望まれるのである。

チェックインすると自分たちのサイトが指定され、電源、上水、下水が繋ぐことができる。電源はアンペア数が選べ、自分のクルマの容量に適合する電力を選択する。

ちなみにデスバレー公園内のキャンプ場で、フルフック設備が利用できるサイトは極度に少ないのだが、それでも各キャンプ場には「ダンプステーション」と呼ばれる設備が付帯しており、上水の確保と下水の処理は可能なようになっている。

このような便利な設備があることによって、大小様々なモーターホームが、テント泊者と同様に、キャンプ場には数多く滞在しているのである。

日本のキャンプ場も、このような「ダンプステーション」設備を付加させれば、もっと多くのモーターホーム・ユーザーを受け入れることが可能になるだろう。

そのようなインフラも含め、日本のVanLifeはまだまだ途上にあると思うのだ。