憧れのVanLife31 精神的な豊かさを求めて

COLUMN

2020年05月07日

このところ、ちょっとこのブログの更新が途絶えていたので、アメリカの旅の番外編を報告したいと思う。

以前にも言ったと思うが、キャンピングカーやモーターホームを使った旅のスタイルが、自分が若い時はシニア層の愉しみ方だ、と思い込んでいた。
ところが実際にアメリカの国立公園やその周辺でキャンプしていると、小型のモーターホームをレンタルしたり、古いヴァンを改造して旅を続けている若い世代の人たちの存在も目立つようになってきた。

数年前、元ラルフローレンのコンセプトデザインや、出版社などで働いていたフォスター・ハンティントンは、ニューヨークで日々の仕事に忙殺され、その暮らしに嫌気が差し、家を捨てて、日常の暮らしに必要最低限のモノを選んでVanLifeを始めた。

そしてハンティントンはVanLifeの旅を通じて、同じ志を持つ者のコミニティを形成し、そのライフスタイルを「Home is where you park it」という書籍に纏めて出版し、その書籍はたちまち全米の若者の心を掴んだ。

今現在、ハンティントンはオレゴンにツリーハウスを建設し、仲間たちとの生活を満喫しているらしいが、そのスタイルはVanLifeの延長線上にある。

近年、アメリカの若い世代の中でVanLife人口が増えて来たのは、このハンティントンの活動に影響されていることは言うまでもないが、物欲主義、消費世界の現代社会からのアンチテーゼが、若者共通の意識の高まりとして、急速に広がって行ったことも事実だと思う。

ルーフトップに注目して欲しい。そうだ煙突が付いている。つまり車内に暖炉がある、ということ!

今回のデスバレーの旅に於いても、もちろんシニア世代が有する巨大で豪華なモーターホームを数多く見かけたが、古いVanやトラックをカスタムして、ユニークなスタイルを主張する若い人たちにもたくさん出会った。

そしてそんな彼らのスタイルに共通することは、このVanLifeの連載の3回目で概述した通り、大勢に流されない価値観を持つこと、不要な物欲を捨て去ること、シンプルな人間関係を構築し、他人に媚びることなく、自分の考えを貫くこと、さらには、他人からどのように見られるかではなく、自分自身がどのような生き方をしたいのか? ということである。

日本に於いては「車検」というシステムがある限り、VanLifeのカスタムはかなり限定的になってしまう。しかしVanLifeの本質そのものは、政府のシステムや法律に左右されるものではない。

やはりこのVanLifeの連載の9回目に、昨年、グランドキャニオンのリムの底を歩いている時に、オランダ人の夫婦に出会ったことを報告したが、彼らもVanLifeを追求、実践する人たちである。

こちらはボクが所有しているフォードのE350とまったく同じ車体。でもこんなにも可愛いカスタム。30代の可愛い女性の二人組がこれに乗って旅していた。

つまりどんなモーターホームやVanを所有しているか? ということは問題ではなく、 物欲的な豊かさより、精神的な豊かさを追求しているか、ということなのだ。

そして周知なことではあるが、物欲を捨てなければ、精神的に豊かさは決して手に入れることはできないのである。

自分自身のデスバレーに於ける旅、そしてそこで出会った見知らぬ仲間たちの姿を見て、それを強く感じたのである。