Rim to Rim to Rim

COLUMN

2018年03月20日

■お知らせ■
“木村東吉氏のブログは、こちらに引っ越しました!(木村東吉ブログ)”:/column/

どんな旅をする時でも、いつもカメラやビデオなどの大切なモノを入れて運ぶ小さなスーツケース。いろいろな所に連れていったので、あちこちに傷が付き、細かい凸凹も一杯。
そのスーツケースに新たな一枚のステッカーを貼った。

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「Rim 2 Rim 2 Rim
45マイル(72キロ)21000バーチカル(標高差6300メートル)をハイクした!」

前回のこのブログでも紹介したが、この「RIm to Rim to Rim」のことは、いろいろなところで耳にしていた。
ある者は水と携帯食だけを持ち、僅か13時間ほどで往復し、ある者は5日間掛けて片道だけを歩く。(その場合、行きか帰りはバスに4時間ほど揺られることになるらしいが)

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どのようなスタイルで歩こうとも、共通の意識は「この壮大なスケールのキャニオンを端から端まで見てみたい」ということだ。
グランドキャニオンを訪れるほとんどの観光客は、キャニオンの淵に立って、そこを見下ろすだけだ。
過去3回、ボクも同様にここを訪れ、その淵に立って見下ろした。
好奇心に駆られて、少しトレイルを降りてみる者もいるが、谷底のコロラドリバーまで降りてみる者は、極々、僅かで、ましてや南のリムから北のリムまで歩く者は少ない。

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当初、一日で往復することも視野に入っていた。が、熟考すればするほど、この壮大なキャニオンの様子をじっくりと見てみたい、という気持ちが強くなった。特に我々が歩く2月下旬は、ノースリムへの一般道は、雪ですべて閉鎖されている。つまりこの時期、ノースリムに行くには、サウスリムから歩いて往復するしかないのだ。その誰も行くことのできない閉ざされた谷に、どんな自然が待ち受けているのか?

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最終的に、一日に約25キロほどの距離を歩き、2泊3日で全行程を歩くことにした。2泊とも、ノースリムの直下に位置するコットンウッド・キャンプ場を利用し、そこで必要なテントなどの機材を全部背負って行くことに。
10時間前後、歩くことが予想されたので、飲料水を含めると、約12キロほどの荷物になった。だがこれでも機材の軽量化に成功している。昨年のカララウ・トレイルの時は、15キロ以上ものザックを背負ったのだ。

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実際に「Rim to Rim to Rim」を歩いてみて強く感じたのは、「こんなにも美しいトレイルが、この世に存在するのか・・・」という素晴らしい感動であった。上からキャニオンを見下ろすと、荒々しい不毛のトレイルを歩くことを想像していたが、実際にはいろいろな植生が繁殖し、季節で言えば、冬と春が交錯するほど、多用な自然に巡り合った。

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ノースリムのもっとも標高の高いところが2400メートルの雪の中。そしてもっとも標高の低い700メートルのコロラドリバーの畔に行くと、河岸のビーチで水遊びをする人たちの姿が。
そんなめまぐるしいほどの多様な自然の中を、一本の細いトレイルがどこまでも続いていた。

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さてこのトレイルを歩くのには、グランドキャニオンのバックパッカー事務局に事前に許可を受けなければならない。

ごく一部の人たちに対する情報となるが、参考までに問い合わせ先を記しておく

“https://www.nps.gov/grca/planyourvisit/winter-recreation.htm(National Park Arizona)”:https://www.nps.gov/grca/planyourvisit/winter-recreation.htm

このページに行って、「Backcountry Permit」をクリックすると、いろいろな手順が記されている(すべて英語)
最終的にはFAXにて、自分の希望する日程やクレジットカード情報などを書いて、送ることになる。

また我々も今回のハイクで初めてその存在を知ったのだが、コロラドリバーの畔に位置する「ファントムランチ」を利用すると、ハイクの方法に様々な選択肢が生まれる。手軽にハイクを楽しみたければ、ロバで己の荷物を運ぶことさえ可能なのだ。
この辺りは「オプションの国であるアメリカ」らしいサービスに溢れている。

ファントムランチのサイトは以下。
“https://www.grandcanyonlodges.com/lodging/phantom-ranch/(phantom-ranch)”:https://www.grandcanyonlodges.com/lodging/phantom-ranch/

ここを巧く利用すれば、体力に自信のない人でも、それなりにトレイル・ハイクを愉しむことが可能だろう。

世界中から多くの人々が訪れる観光地「グランドキャニオン」
そのキャニオンの中では、大勢の観光客がまったく想像がつかないような、大自然のドラマが繰り広げられているのである。

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