アメリカ南西部への旅路が始まる

COLUMN

2018年02月21日

ここ数年、毎年のようにこの時期にアメリカ南西部を旅している。
決してこの時期に拘っている訳ではないが、4月から11月までは富士五湖を離れることができない。なぜならその時期は地元ではベストシーズン。

昔は、「4月から11月までの8ヶ月で一年分を稼げ」と言われたほど観光客が集中する。
べつにそれに乗じている訳ではないが、1月から2月に掛けては氷点下15度になることも多く、そうなると商売どころではなくなる。生活の基盤を確保するだけで、一日が終わってしまう日だってあるのだ。

従って長い旅に出るのは、この時期になってしまう。

が、アメリカだってこの時期は寒い。なるべく暖かいところを選んで旅の計画を立てる・・・といいたいところだが、実は理由はそうじゃない。

今から35年前。雑誌の取材で初めてアメリカの地を踏んだ。
LAでレンタカーを借りて、ラスベガス〜グランドキャニオン〜モニュメントバレー〜サンタフェと、約3週間掛けてアメリカ南西部を旅した。つまり自分にとって、アメリカ南西部は旅の原点なのだ。

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赤茶けた不毛のキャニオンを歩く。この大地の厳しさを痛感し、
日本の自然の繊細さが恋しく感じる瞬間でもある。

河口湖の湖畔に建てた家も、サンタフェスタイルを取り入れているし、壁にかけられた絵や、テーブルの上に飾れたオブジェなども、やはりこの地の土産物が多い。

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恋人伝説が伝えられるキャニオンデシェリー。ナバホ・ネイションズの心臓部に位置する。

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ネイティブ・アメリカンの居住スタイルホーガン。
このスタイルとスパニッシュスタイルが融合してサンタフェスタイルが生れた。

今年で23年目を迎える河口湖での暮らし。その暮らしの原点を見つめ直す為にも、毎年、この地を訪れる。

この地でナニを感じるのか? ナニを思い出すのか? なにを再発見するのか? ある時はハンドルを握り、ある時は砂漠で開催される長距離レースに出場し、ある時は険しいトレイルを歩く。

それはある意味、自分と向き合い、自分と対話する旅でもあるのだ。