憧れのVanLife4 ドアが開かない

COLUMN

2019年07月04日

20年以上も前のアメ車、しかもあれこれ装備が積み込まれたヴァンなので、いろいろなトラブルが発生することは覚悟していた。

大きなエンジントラブルはないかもしれないが(いつかは起こるかもしれないが)、細かい箇所はあれこれ不具合が発生するだろう。

神戸までクルマを引き取りに行き、帰りにサービスエリアでさっそくVan Lifeを楽しんだことは、すでにこの連載の第一回目で報告した。

で、車内で簡単な朝食を取り、さあ出発という時に、助手席後部のサイドドアが開かなくなった。中から開けようとすると、スムーズに開くが、外からだと反応しない。

とりあえず助手席から手を伸ばして開閉するようにした。

自宅に戻り、いつもクルマを整備してもらっている稲村オートにVanを持って行った。稲村オートの社長である稲村さんは、社長兼、整備士兼、アカウントマネージャー・・・つまりたった一人で修理工場を運営している。で、ソロキャンプに強い憧れがあり、そのことについてあれこれ質問を受ける。

チョーがつくほどフットワークが軽く、チョーがつくほどいい人だ。

「稲村さん、カヤックを積んであるトレイラーのタイヤがパンクしたんだけど、スペアタイヤを見つけてくれる?」なんてお願いしたら、翌日には「現場に行って、タイヤ交換しておきました」なんて、スーパーなことを平気でやってくれる。ボクのカーライフには欠かせない存在なのだ。

稲村さんは、ボクの新しい相棒をしげしげと眺めながら、「へえ・・・すごいなあ」と連発している。

「へえ・・・すごいなあ」の言葉の真意には、素直に「いいな」という意味も含まれているが、どちらかというと「こんな厄介なモノを買ってしまって」という意味も、少なからず含まれている。

「とりあえず雨漏りを修理しなきゃいけないけど、帰ってくる途中にドアが開かなくなって」と言いながら、助手席から手を伸ばしてリアのサイドドアを開けようとする。

「こうやって中からは開くんだけど・・・」

 開かない。
 ついさっきまでは中からは開いたが、今では中からも反応しない。

「うーん、ちょっと診てみましょう」と、稲村さんは優しい笑顔をこちらに向ける。

サイドドアのパネルを取り外し、ドアラッチのコードを辿って行って、稲村さんは言った。

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ドアに顔を突っ込んでいるのが親切な稲村さん。

「ドアラッチの接続部分がプラスティックで、それが割れちゃってますね!」

なるほどそういうことか。

事前にネットで古いアメ車のことをググった時に、樹脂やゴム関係は経年劣化で、早晩、交換が必要になると誰かがブログに書いていた。油脂の漏れは当然のこと、ブレーキや電気系統にも気を付けろと。

心配事は富士山ほどある、ということだ。が、まずはドアの開閉のことを考えなけれならない。

幸いなことに、今ではEbayという便利なサービスがある。

年式、型式を入れれば、いろいろな部品が出て来る。しかもアメリカから送られて来る割には、送料は2000円ほどで、約1週間から10日で手元に届く。

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修理必要箇所にリベット留めとか、アメ車は理解不能。
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アメリカから部品が届くまで、ドアが開かないというのも困るので、なんとか結束バンドで接合。

ボクはさっそく必要な部品をオーダーした。

「おそらく次から次へと壊れて行くので、ついでに他のドアのラッチもオーダーしておいたほうがいいかも」
稲村さんは柔和な笑顔で、恐ろしいことを助言してくれる。

そしてその稲村さんの助言どおり、次から次へとドアが開かなくなったのである。
あゝ・・・アメ車、恐るべし。

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この2枚のドアが開かないのは、ほんとに不便だった(笑)