憧れのVanLife6 ファンベルトが切れた
人はクルマに様々なことを求めるが、すべてに共通して優先されることは、目的地に安全に到着できることである。その大前提があってこそ、クルマは存在価値がある。
それが担保されなければクルマではない。
前回のこのブログでも報告したが、ガスコンロや冷蔵庫など、キャンピングカーとしての機能はよく働いてくれる我がVanではあるが、走行面での不安は拭いきれない。走行距離が9万キロと少ないものの、22年も前のクルマである。逆に年式と走行距離のアンバランスさも不安材料である。しかも前所有者は、この3年間で300キロしか乗っていなかったらしい。
そんな不安だらけのクルマだから、神戸から乗って帰って来るときに、とりあえずはオイル交換をしてもらい、タイヤを新品に履き替えた。
古いアメ車(アメ車に限ったことではないと思うが)は樹脂やゴム類が経年劣化で早晩、駄目になる、という記事をどこかのブログで読んだが、案の定、ドアのラッチの接続部のプラスティックは割れ、ドアが次々と開かなくなったことはすでに報告した。
が、ドアは開かなくても重大な事故には繋がらない。
重大な事故に繋がる樹脂やゴム・・・・
それは御殿場からの帰途、富士五湖有料道路に入る為に、登坂車線を走っている時にやってきた。
「シャリシャリ」という異音が聞こえ、最初は道路に落ちている砂利のようなモノをタイヤが巻き込んだのかな、と思った。
が、いよいよ高速道路の入り口に近づいたところで、今度は「ジャリジャリ」というような、より大きな異音が聞こえた。
ボクは慌ててクルマを路肩に寄せた。
で、ボンネットを開けて中を覗き込む。
するとラジエターの周りに、ワカメのような物体が飛び散っている。
なにかのベルトが切れたようだ。
目を凝らしてボンネットの中を覗き込む。
ファンベルトかエアコンベルトか、それとも他のベルトなのか、判然としないが、2本あるうちの一本のベルトの幅が半分ほどの細さになっており、どうやら完全に切れてしまっているのではなく、なんとか動いているようである。
反対車線を見ると、高速道路を管理する事務所があった。
ボクはボンネットを閉じて、そろっと反対車線にクルマを走らせ、駐車場に入れてすぐにエンジンを切った。
管理事務所に入って行って係の人に事情を説明して、すぐにJAFに電話した。
「それでは近くの工場に電話して、どれくらいで到着できるか調べます」とJAFの担当者は電話を切った。
それから約5分して電話があり、故障したクルマの詳細を尋ねられる。
すると「ちょっと大きなクルマなので、手配に30分か40分ほどかかるかもしれません」という返答。
その時点で朝の7時半。
朝の5時から8キロほどランニングして、朝食を食べてないことを思い出した。
そうだ、河口湖に戻ってからどこかで朝食を食べるはずだったんだ。
急にお腹が空いて来た。
そういえば、前夜にブリトーを作って、まだ余っているかもしれない。
冷蔵庫を覗くと、トルティーヤと中身が少し余っている。
5分ほど発電機を駆動させて、電子レンジでトルティーヤを温めて食べた。こういうところは、なんとも便利なクルマである。
それから約1時間して、JAFから電話がかかって来た。
「申し訳ありませんが、お客様のクルマは3トンを超えているので、積載車に積むことができないので、手配できませんでした。」
一瞬、相手がなにを言っているのか理解できなかった。
「手配できないって・・・じゃあ、どうすれば・・・」
「もうJAFとしては、なにもすることができない、ということです」
ブツっ(電話が切れる音ね)
おいおい、そりゃないだろ。18歳でクルマの免許を取得すると同時にJAFに入会して、おそらく救援を頼んだのは、これで2回目か3回目である。42年間、会費を払い続け、朝食も食べずに(いや実はブリトーを食ったが)1時間も待ち続け、「なにもすることがない」だと! もうすぐにでもJAFを退会してやる!
と怒っても、なにも始まらない。
さあ困ったどうしよう・・・
そうだ! こういう時にこそ、あのスーパーマンがいるじゃないか!
ボクは稲村さん(前々回のブログに登場)に電話した。
次回に続く。