憧れのVanLife14 トイレどうする?

COLUMN

2019年09月16日

あるキャンピングカーのオーナーが、自身のブログでトイレの処理について書いていた。

そのブログに依ると、彼の息子がキャンピングカーのトイレでウンチをした後、その処理の時に「もうキャンピングカーを売ってしまおうか・・・」と考えるほど、その処理が嫌だったという。が、その後、排水用のホースを手に入れ、しかもそれを汚水槽にそのまま流せる方法が見つかり、今でもキャンピングカーを手放さずに乗っている・・・という内容であった。

確かにトイレの処理は誰にとっても頭が痛い問題だ。処理作業が嫌だから、トイレを使わないというキャンパーもいる。

ボクも以前、所有していたトレイラーではまったく使わずに、トイレは収納スペースに使っていた。

だが我々のように田舎暮らしをする者にとっては、その処理方法が意外に簡単なことを知った。

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グランドキャニオンの水くみ場。「DUMP NO FOOD」と書いている。英語で「DUMP」とは、捨てる、廃棄する、という意味。つまり「食料をここに捨てないで」ということ。で、「ダンプステーション」は便を廃棄する場所という意味になる。

キャンピングカー先進国のアメリカのキャンプ場には、ダンプステーションと言って、キャンピングカーの中で出た汚水を、ダンプステーションで処理できるシステムになっている。

ちなみにキャンピングカーで出る汚水は、調理や皿洗いの際にでる「グレーウォーター」という汚水と、トイレから排出される「ブラックウォーター」との2種類に分けられる。

我が愛車の上水タンクは150リットルもの清水の貯蔵が可能で、グレーウォーター・タンクが110リットル、ブラックウォーター・タンクは約40リットルの汚水を貯めることが可能である。

で、その処理であるが、我が家の真ん前の道に汚水桝があり、そこに汚水用のホースを繋げば、一ミリの汚水に触れることなく、そのまま流し去ることができるのだ。

しかもブラックもグレーも、タンクの中に汚水を分解する緑の薬品を入れているので、匂いもほとんど感じることはない。

とは言え、日本の公共のトイレはとても清潔で、しかもハイテクである。通常は車内のトイレをほとんど使うことはないが、毎晩のように酒を呑むボクは、夜中の2時に必ずトイレに行く習性がある。そんな時、停車した近くにトイレがあれば、眠気眼をこすりながらトイレに行くが、近くにない時に、車内で済ますことができるとホントに快適だ。未だに大きい方はする勇気もその処理の経験もないが、近い将来、それにもチャレンジしようと思っている。

実は来年の春、ラスベガスでモーターホームを借りて、デスバレー国立公園に行こうと計画している。

仕事ではなんどか大きなモーターホームに乗ったことはあるが、プライベートで借りるのは初めてのことで、もちろんトイレの処理なども未経験である。

さきほど「日本の公共トイレはとても清潔」だと言ったが、未だに山のトイレは汲取り式のところもあるし、その刺激臭で涙が出てくるところもある。

それはアメリカ国内でも同様で、とくに国立公園内のトイレは汲取式のトイレが多い。まあ匂いの方は、薬品等によってあまり感じることはないが、汲取式であることには変わりない。

ボクはこの汲取式トイレが苦手である。いや、苦手というより、一種のトラウマを感じている。

実は幼い頃に住んでいた家にはトイレがなかった。家から歩いて3分ほどのところに公共トイレがあったが、そこは汲取式で、しかもかなり不潔であった。男子用の小便器には蛆虫がいつもわいていたし、大便器の方からは悪臭が漂っていた。

加えて近所に暮らす年長の少年たちが、面白がって、トイレに関するネガティブな噂話を得意げに話すことを聞いて、便意をもよおす度に憂鬱な気分になった。しかもその当時、一緒に暮らしていた姉や叔母が、夜中にトイレに一人で行くことを怖がり、自分たちがトイレに行く度に、幼いボクを「見張り番」として連れて行く。彼女たちがトイレに入っている間、どれだけ怖い思いをしたか・・・

ということで、アメリカの国立公園内では大も小も、車内で済ませようと目論んでいる。だから事前にその処理にも慣れておかなければならない。

そんなこともVanLifeの愉しみとして、捉えなければならないのである。

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まあ、いろいろ面倒なこともあるけど、こんな綺麗な朝焼けに出会えれば、トイレのことなんて忘れるさ。