憧れのVanLife21 旅の原点

COLUMN

2019年11月19日

ターミネーター「ニュー・フェイト」を観た。これまでにこのシリーズは5作、世に出ているが、今回の「ニュー・フェイト」は、2作目の続編と位置づけされている。

詳しくは映画の紹介記事を読んで欲しいのだが、2作目で活躍した「サラ・コナー」が主演のようなスタイルで、アーノルド・シュワルツェネッガーももちろん出演しているが、その存在はかなり控えめである。

“※映画の紹介記事はこちら「SCREEN ONLINE」
“:https://screenonline.jp/_ct/17312857

それでも年齢を重ねたアーノルド・シュワルツェネッガーの渋さは抜群で、「控えめ」でも十分にその貫禄は醸し出している。

「サラ・コナー」演じるリンダ・ハミルトンは、久しぶりの出演に際し、かなり身体を鍛え上げたようで、こちらも60歳を過ぎた女性とは思えないほどの、フィジカルな美しさを発揮している。

その二人の存在があるからこそ、未来からやってきた女性兵士「グレイス」演じるマッケンジー・デイビスの活躍も光るのだが、全体的に女性たちの活躍が目立つ仕上がりとなっている。

まったく関係ないが、この映画と前後して、Netflixのオリジナルドラマである「ゴッドレス」も鑑賞した。

7話完結のこのドラマは西部劇で、ニューメキシコのサンタフェ近くの架空の町「ラベル」が舞台だ。

「ラベル」は炭鉱事故によって町の若い男の殆どが亡くなっており、今では女性たちが町を取り仕切っている。

その「ラベル」にアウトロー集団の一人の男が逃げ込み、その男を追って「ラベル」を襲いかかるアウトロー集団と、女性たちの戦いがドラマチックに描かれている。

ということで、なんとなくこのところ、女性の活躍ぶりが目立つ作品に接している。

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初めてモニュメントバレーを訪れた時、このアングルでモーターホームが泊まっていた。その姿は、強烈に「アメリカ」を印象付けた。

実はインスタグラムで「#vanlife」というハッシュタグをフォローしている。

世界中のいろいろなスタイルの「van」と、その所有者たちのスタイルが投稿されているが、その投稿でも女性の存在が目立つ。まだまだ圧倒的にカップルで「VanLife」を楽しんでいる写真が多いのだが、その関連記事を読んでいると、たった一人で若い女性が「VanLIfe」を続けているのも、少なからず紹介されている。

ボクの愛車はその重量は3トンを超え、高さ270センチ、全長6メートル近くあり、みんなから「運転が大変なのでは?」とよく質問されるが、慣れてしまえばそれほど特殊なことではない。

まだまだ日本では大きなモーターホームを運転する女性ドライバーは見かけないが、それでもそれに匹敵する大型の商用トラックやバスを運転している若い女性の姿は、あちらこちらで見かけられる。

職業的にも立場的にも、「女性の社会進出」は、ボクの想像以上に進んでいるのである。

話は「ゴッドレス」に戻る。

無事にアウトロー集団との戦いを終え、そこから逃げ出した男「ロイ・グッド」は、幼い頃に生き別れとなった兄を訪ね、サンタフェからカリフォルニアまで馬で旅をするシーンが、このドラマのラストを飾る。

このシーンはとても感動的で、詩情豊かに、その長い旅が描かれている。

実はこの逆のコースを、24歳の時の初めての渡米で経験している。

ある雑誌の取材で渡米したのだが、ロスアンジェルスでレンタカーを借り、そのレンタカーで、ラスベガス、グランドキャニオンと経由して、約10日間かけてサンタフェまで旅を続けた。その距離は最短でも1500キロ以上にもなり、クルマの旅でもかなり長く感じられた。

その旅の途上、グランドキャニオンの後にモニュメントバレーに行った。その時に、初めてモーターホームで旅を続けているファミリーに出会ったのだが、その雄大な風景の中で、いかにもアメリカを象徴するような印象を強く自分に遺した。

時代は代わり、女性たちが強くなり、昭和生まれの男は、益々、肩身の狭い思いをしなければならないのだが、人生で出会った初めての、アメリカを象徴するような旅のスタイルが色褪せることは決してない。
そしてその印象が、己の「VanLife」の原点でもあるのだ。